第19話

「取りあえずは、このあたりに住んでいる男の能力者から調べてみよう」

拓真がそう口を開く。




「………警部補も含めてか?あの人レベルSだろ?」

力也がすでに疲れきった声で零す。




「……いや、初めは天翔学園に通わなかった能力者からあたろう。犯罪者になるのはそっちの奴の方が多いからな…」




そこまで話すと、2人は一旦警察庁に戻るために車に向かって歩き始めた。




「楠木さん!」




突然呼ばれた声に拓真がそちらを振り返ると、婦警の制服を着た伊藤 瑞希(いとうみずき)がこちらに向かってきた。




「あの~、今日暇なら飲みに行きませんか?」




体をくねくねさせながら恥ずかしそうに話しかけてくる。

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