第14話

「はい、被害者は月島葵(つきしまあおい)26歳。天翔学園の卒業生の能力者で、仕事から家に帰宅するところを襲われたようです」




「そうか、ありがとう」

警官に言うと、拓真は力也の方へ体を向けた。




「能力者ってやつは、こんな簡単に殺されるもんか?」

力也に向かって問いかける。




「いや…、殺されないと思ってた。わからんな。とりあえずここは、能力者である洞口警部補に聞くべきかもな」




力也がそう言った時、離れた所から警部補である洞口譲二(ほらぐちじょうじ)がこちらに向かって来るのが見えた。




今29歳の洞口警部補は、整った顔を歪めて、なかなか機嫌が悪そうだ。

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