第13話

コンクリートの上にチラホラ舞っている赤が見える程まで歩いて近寄った。




「ひでぇな…」

拓真は現場を見て低くうめいた。




普段は平和な通りが今は地獄絵図のようだ。




被害者は心臓以外にも何カ所も刺されており、飛び散った血が広い範囲で広がっている。




「洞口警部補がこちらに向かっています」




警察の制服を着たまだ二十歳そこそこの警官が、拓真と力也に向かって口を開いた。




「そうか。なにか分かっていることはあるか?」

被害者に視線をやったまま拓真が警官に話しかけた。

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