第6話

そこまで考えて気分が悪くなってきた。




ウインカーを出し、車を左に寄せて歩道の脇に停車させる。




Sレベルの能力者…




その可能性を考えた瞬間、それが正解だということがわかった。




そう、わかったのだ。




「……レベルSの能力者…」

震える声で無意識のうちに口に出した。




電話の向こうで美香の息を呑んだ音が聞こえた気がした。




『それは…本当なの…?レベルS…?』




美香の声は疑うより、納得しているようだった。

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