第4話
啓太が呼んだ迎えの車の中で、俺は目をつむり腕組みをした。
今すぐにでも、ここから飛び出して紫音を探し回りたい気持ちを押さえ込む。
それは俺が、チームCROWを統べる者だから。
馬鹿馬鹿しいって、言われるかも知れねぇが、それが俺達の世界。
トップである俺が単独行動をとり、潰されるような事になれば、チームCROWは壊滅する。
そうなれば、この街はまた無法地帯と化す。
それだけは避けなきゃいけねぇ。
俺達を慕って集まった連中を、路頭に迷わせる訳にはいかねぇ。
チームCROWに集まってる奴は、多かれ少なかれ闇を抱えてる。
それに、一人で押し潰すされないように、仲間とつるむ。
心が弱い連中の集まりだと言われば、そうかもしれねぇ。
だけど群れる事で、人の大切さを知り、人の暖かさを知る。
心の成長を促せる。
未発達の俺が言える事じゃねぇが、俺達はそうやって生きてきた。
大人達には理解しがたい、俺達の世界。
仲間を信じて、己を信じる。
俺達自身がチームCROWだ。
だから、大丈夫。
紫音はすぐに見つかる。
俺は自分に言い聞かせた。
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