第3話

俺と啓太は、アウトレット中を探し回った。





けど、どこにも紫音の姿はねぇ。





啓太が連絡した面子も、早々駆け付けた。




みんな、紫音の名前を心配そうに 、口々に叫ぶ。




青ざめるた顔と、緊張した声に、どれだけあいつの事を心配してるのか、見て取れる。






啓太が、手早く配置を説明すれば、素早く散って行く。






全員が、紫音の事を思ってんだな?




あいつは、すっかりチームCROWの中に溶け込んでいたんだ。






たいした女だよ。




ふっと口元に笑みを浮かべた。






「虎、俺達は一旦、たまり場に戻ろう。」


「ああ。」


啓太の言いたい事が分かったから、俺は素直に頷く。





チームのトップが、躍起になって外を駆けずり回る訳にもいかねぇからな。





そうしたい気持ちはヤマヤマだが、ここはチームの面子を信用するしかねぇ。




あいつらはきっと・・・・紫音を見つけてくれる。








場所が判明した時に、直ぐに駆け付けれるように、俺は待つしかねぇ。







頼む・・・・紫音、無事でいてくれ。






居なくなって、やっと分かったよ。




俺はお前に惚れてる。






未音に似てるからじゃねぇ。






お前を、三枝木紫音を愛してる。










だから、早く戻ってきてくれ、俺の腕の中に。

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