第77話
「なぁ、弘人…。」
「…」
「これだけは、誤解しないでやってほしい…」
「…」
「同情なんかじゃない。あいつは本気でお前のことを心配してた。俺もお前のことが…」
「だったらなんで言わなかった?」
「っ…」
「中3の春」
「…」
「朱里が玲奈にされたこと。」
「…」
「なんで黙ってたんだよ。」
「…弘人…俺、」
「あぁ、謝らなくていいよ。」
「お前のこと、許すつもりねぇから。」
弘人の静かで落ち着いた声
「…」
こういう時
『…』
弘人は本気で怒ってる…
「もう、誰のことも」
「…」
「信じねぇって決めたから。」
『…』
無表情に
色のない瞳…
私の方に
見向きもせずに
弘人は背中を向けて
離れていく
指先が
『…どうして…』
小さく震える
「…」
『…私だけが本当に…知らないことばっかり…』
「…ごめん。」
『…泣』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます