約束。

第64話

「なに?」


制服を掴んだ私を


振り向いて、見下ろした弘人


『…』


「お前さぁ」


色のない声で


「そういうの、やめろ。」


そうやって…


『…だって…』


どれが本当の弘人かわからない


「…」


からかったり


引き止めたり


突き放したり…


《5年離れてたんだもんな、俺ら。》


『…どうしてそんな他人事みたいなの…』


「は?」


『連絡くれなかったのはそっちじゃん…』


ねぇ、弘人…


『私はずっと…』


時々見せる


『会いたかったのに…っ』


全てを恨むような瞳…


『突然帰ってきて…別の人みたいになっちゃって…』


あなたはどうして


『弘人のこと…わかんないよっ…』


変わってしまったの…


「…」


グッ!


突然腕を引かれて


カラオケルームの一室のソファに


『っ』


押し倒された

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る