第63話
「お前、まだコーヒー苦手だったんだな。」
『…』
「もう、違ってるかと思った。」
弘人は時々
「5年離れてたんだもんな、俺ら。」
そんなふうに
『…』
愛しそうに
「ガキだな。笑」
私を見つめる…
『悪かったな…いつまでもコーヒーも飲めないガキで。』
ははっと笑った弘人は
「じゃあな」
そうやって
私の髪をくしゃくしゃっと撫でて
背を向けて…
スタッフルームのドアを開けた弘人の制服を
後ろから小さく掴んだ…
『…』
ねぇ、弘人
私、なにも変わらないよ
あの頃のまま
なにも変わらないんだよ…
だから
置いていかないで…
あの頃のあなたの面影が消えてしまうほど
急いで前に進まないで…
そう
思った
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