花。
第41話
小学5年の夏
まだ日中の暑さが残る夕暮れ
弘人の家のお庭で
座り込んで、泣いている弘人のお母さんを見た
いつも笑ってたおばさんの涙を見たのは
あの一度きりだったけど
子供ながらに私は
おばさんに声をかけることができず
視線を逸らして
足早に通り過ぎた
その年の冬
おばさんは
弘人を連れてあの家を出た
いつも綺麗に手入れされていたお庭
毎年咲くクリスマスローズやパンジー
春には可愛く花開くチューリップ
私は
おばさんが大切に育てるお花が大好きだった
あれから
あのお庭に
花は咲かなくなった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます