第18話

「やばいっ降ってきた」


『傘持ってないーっ』


小学4年の秋


学校帰りに突然崩れた天気


降り出した雨を避けるようにして弘人と入ったコンビニ


「傘売ってる」


『いくらかな』


「630円だって。」


『私今120円しか持ってない…』


「俺、500円…。」


それからしばらくして


公共料金の支払いにコンビニに来た弘人のお母さんが


大きい傘に二人を入れてくれた


私たちが濡れないように傘を傾けていたおばさんの背中が濡れていたこと


私を家まで送り届けてくれて


弘人と歩いていく後ろ姿を見て知った




『弘人!』


バッ!


『っ…』


公園のベンチ


弘人の手から取り上げた吸いかけのタバコ


「なにしてんだよ」


私を見上げた弘人は


鋭い視線を私に向ける


「…お前、火傷したらどうすんだよ。」


『…』


そんな視線とは裏腹に


私のことを心配する

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