第85話

そんなあたしを見つめていた祐樹は、少し怒ったように眉を顰めた。



「まるで俺は不安にならないような言い方だな…」



「…だって」



視線を下に落とす。



しばらくして、祐樹がポツリと呟いた。



「…不安になるに決まってんだろ」



その声があまりに切なげだったので、あたしまで胸が痛くなり、ゆっくり祐樹に視線を向けた。



すぐ近くで、祐樹の綺麗な瞳が揺れていた。



「ヤクザなんてやってたら、普通の幸せなんてあげれねぇし…。お前まで危ない目に合わせるかもしれねぇ」

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