第83話

わかってる。

それでも、たまに、不安になる。



あたしは綺麗でもないし、特別なところもないから。



祐樹と付き合っているのに、祐樹のいる世界のことを全然知らないから。



だから、時々不安になる。

あたしの知らない祐樹の顔を見てしまった時は特に。



「泣くなよ…。お前に泣かれると辛い」



あたしの頬に流れる涙を拭いながらも、

祐樹が切なく優しい声で言った。



「うん…」



涙を拭って、ギュッと祐樹に抱きつく。そんなあたしを祐樹は包み込むように抱きしめてくれた。

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