第64話

「あたし行ったことないんだよね…」



「…へぇ」



「行ってみたいなぁ…」



そう零したあたしに、トモは一瞬驚いた顔をしたあと、慌てて口を開いた。



「ちょっと、勘弁してよ!?あんたをホストクラブになんか連れてったら、私が新城さんに消される!」



「大丈夫だよ。亮太兄のお店なら祐樹もきっと何も言わない。それに…、ホストなら相手も仕事しているだけでしょ?浮気しているわけじゃないし」



絶対に行く!と決めたあたしと、勘弁して!と悲惨な顔で言うトモとの言い合いはしばらく続いた。

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