第42話

殺さなくてもいいと言われ翔もホッとしたのだろう。




気の抜けたような情けない顔で笑みを浮かべた。




「…絶対に姐さんから目を離さないっス」



「気を抜くなよ」



「抜かないっスよ。何かあったら俺の命もないじゃないっスか」




さっきの若頭を思い出したのか、体をブルっと震わせた。



それを見ながら溜め息を吐く。



翔には言い含めた。



このことはこれで大丈夫だな。



「それにしても」



翔がほとほと感心したように言った。

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