第41話

そんな翔を人の気配のない隅っこまで連れて行く。




そして、口を開いた。




「いいか、翔。若頭はああ言っていたが、何があっても絶対に相手の男を殺すんじゃない」




低い声で真剣に言う私に、翔は怯えたような泣きそうな顔をした。




「…でも、そんなこと言ったって、俺どうすればいいんスか?」




その声は震えている。




「彼女からしっかり目を離さずに、何かあったらすぐに私か若頭に連絡を入れろ。ソイツが彼女を傷つけそうになったら、殺さない程度にやれ」




分かったな?と言う私に、翔はなんとか頷いた。

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