第40話
「翔、分かったな?これは命令だ」
「…分かりました」
とうとう翔が負けて、若頭の言葉に頷いた。
しかたない。
若頭がそうと決めたのなら、その意志を曲げることなど私には無理だ。
この人は私の知っている中でも一番意志が強いのだ。
翔を頷かせた若頭は、満足したのか私と翔を下がらせた。
若頭の部屋から出て、すぐに目の前を歩く翔を呼び止める。
振り向いた翔は疲れきった顔をしていた。
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