第11話
暴走族上がりの運転技術を買われ、若頭の運転手にも抜擢された。
「お疲れさまです」
扉を開けて若頭を車に乗せる。
「出します」
一声かけた後、車のアクセルを踏んだ。
緊張しながら車を走らせる俺に、後ろから声がかかった。
「…お前は」
驚きを含んだ声に、ミラー越しに若頭と視線を合わせて軽く頭をさげる。
「自分翔って言います。今日から若頭のドライバーを任されました」
「あん時の糞餓鬼じゃねぇか」
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