第6話

「餓鬼が。ナメた口聞くんじゃねぇぞ」




地を這うような低い声に、鋭く冷たい目に、感じたことのない恐怖を感じた。




怯えて何も言えなくなっている俺に、男は腕を伸ばしてきた。




やられる…っ!




そう思い、目を閉じて構えた俺に、伸びてきた腕は俺の腕を掴んで立ち上がらせた。




同時に溜め息が聞こえてきて、閉じていた目を開く。




そこには呆れたような顔があった。




「もう殴らねぇよ。ったく、そんなにビビるなら喧嘩を売ったりするんじゃねぇ」

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