第78話
「は?なんの噂だ、それは」
まさかそんなことを言われると思ってなかった祐樹が、驚いた声を出しながら見下ろしてくる。
「祐樹の女関係の噂」
かなりむかついていたが、笑顔を貼り付けて祐樹の頬から顎を優しく撫でた。
「お前…いや、いい。なんて聞いたか知らねぇが、俺が好きなのはお前だけだ」
そう言いながら、あたしの胸に顔を埋めようとしてくる。
話を逸らされそうな気配に、祐樹の頬を撫でてた指で今度は頬をつねった。
「痛ぇよっ」
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