第79話
「ほんとに?今はあたしだけ?」
痛がる祐樹に向かって、ポツリと不安が零れた。
あたしのその声に、祐樹は痛がるのを止めて、安心させるように優しく抱きしめてきた。
「ああ。お前だけだ。俺が欲しかったのは。……信じてねぇのか?」
覗き込むように見つめられ、首を横に振った。
「…信じてるけど、祐樹格好いいから…。ごめん、ただの独占欲」
綺麗な人が祐樹の近くにいるのはやっぱりいい気持ちはしない。
しかたのない事だけど。
「嬉しいこと言うじゃねぇか」
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