第63話
すんなりと外された手にホッと息をつきながら、高い位置にある男の子の顔を見上げて問いかけた。
「誰って、お姉さん覚えてないの?」
覚えてないかって…
男の子の顔をじっくり見つめる。それに気づいた男の子が人懐っこい笑顔を向けてきた。
悪い子ではなさそうだけど…
やっぱり思い出せない。
「…ほんとにあたしと知り合い?」
疑問に思い問いかける。
男の子の顔はかなり整っていて、一度みたら忘れないだろう顔をしていた。
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