第39話

「…彼女とかいたのかな…?」




苦しげに零したあたしの言葉に、トモは煙草を持っている手を振った。




「心配しなくてもいないわよ。特定の女なんて作らなかったし。いっつも醒めた目で言い寄ってくる女を見てた。まあ…据え膳はキッチリいただいていたようだけど」




それはそれで複雑…




「そうなんだ…」




「だからね」




トモは笑いながらあたしを見て続けた。




「その据え膳すら食べなくなったから、本気の女が出来たんじゃないかって噂になってるの」

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