第13話

すっかり暗くなった外に出ると、マンションの前に停まっている黒い高級車に近寄っていく。




後部座席の扉に近づくと中から扉が開いた。




滑り込むように乗り込んで右に顔を向けると、どっかりと座席に座り込み顔だけこちらに向けている祐樹と目があった。




優しい光が灯るその鋭い目に見つめられて心臓が跳ねる。




伸びてきた長い腕に抱き寄せられて、皮のシートの上を滑るように移動した。




「…会いたかった…」




スパイシーな香水の香りに包まれながら甘さのある低い声で耳元に囁かれる。

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