第14話

「…あたしも」




祐樹の首に両腕を巻きつけた。

近づいてくる祐樹の顔にゆっくり目を瞑りかけた時、運転席から声がかかった。




「出しますね」




その声にハッとして目を開く。

あと2㎝程で触れる位置にあった祐樹の顔を押しのけた。




「…おい」




祐樹の低い不機嫌な声を無視して前に視線を向けると、運転席に座る翔と助手席でジッと前を見据える一路さんが目に入る。




「…おい」




マジ恥ずかしいし…




祐樹から少し体を離そうとしたとき、がっしりした腕がそれを阻んだ。

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