第Ⅰ章 第12話

「お出かけなら私もお供致します。それに蒼蝶様に何かあったら困ります」

蒼桜はそう言った。


「困らないんじゃない?蒼桜は困るのでしょうが・・・あの人達は私がどうなろうと関係ない筈だから・・・私が何処かで野垂れ死しようが・・・殺され様が・・・」

私はそう零した。


「そんな事無いです。蒼葉様が悲しみますよ?」

蒼桜はそう言った。


「お兄様はそうかもしれないけれど・・・でも、私の事はあの人達にとってどうでも良いんだよ。


私はお兄様と違って・・・《精霊契約不適合者》なんだから・・・。誰もそんな私を心配する人はこの家には居ないよ」

私はそう答えた。


「蒼蝶様」

蒼桜はそう言った。


「・・・でも、心配してくれて、ありがとう。・・・分かったわ。なら、一緒に行きましょう?蒼桜」

私はそう聞いた。「はい」

蒼桜はそう答えた。


そのまま、私と蒼桜、蒼桜の精霊のグラスさんとレインさんと出掛けた。



だが、この時、私はまだ、知る由も無かった。


悪意が静かに私の周りで蠢いている事に・・・。

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