第72話

昼間も家から一歩も外には出ないで、布団の中で丸まったまま、恐怖と戦っている時、玄関のチャイムの音が聞こえた。




その音に、ビクッとして枕から顔を上げた。




それでも、出る気にはなれず、チャイムをシカトする。




しかし




なかなか鳴り止まないチャイムと諦めない相手に、少しイライラしながらもベッドを出た。




ドスドス足音を立てながら廊下を進み、玄関を開ける。




相手を見て動きを止めた。

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