第62話

「いらないよ」



腕が触れている事にドキドキしながら、言った




「…駄目だ」



折れてはくれなさそうな強い目を見て、ため息を吐いた。



「わかった…。でもすぐ近くだよ」



立ち上がり駐車場に停めてある黒い車に向かう祐樹さん。



その背中を追いながら、もう一度ため息を吐く。





「高そうな車だね?ますます大学生が信じられなくなってきたよ」



クッションのいい助手席に座りキョロキョロしながら、運転席の祐樹さんに言う。



「俺の趣味じゃねぇよ。親父がくれた」

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