第63話

「もしかして、祐樹さんって箱入り息子?」



聞いたらいきなり祐樹さんは吹き出した。



「お前、箱入り息子ってなんだよ!」



「いや、それは、あれだよ…」



おぼっちゃま?

……なんて恐ろしくて言えないし…



「なんだよ。はっきりしろ」



「まあ、お金持ちってこと」



苦し紛れに言った。



「…まあな、俺がじゃなくて、親父が金持ちだな」



嫌そうな顔で言う祐樹さんを不思議そうに見つめた。



お父さん嫌いなのかな?




あたしの家はほんとに近くで、5分もかからず到着した。



「ありがと。楽しかった!また喋ろうね」



ドアを開けながら、運転席の祐樹さんに向かって言う。

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