第58話
「あのっ、聞いてもいいですか?」
「ん?」
祐樹さんが顔を向ける。
ドキドキしながら口を開いた。
「いつも窓の外みてますよね?何を見てるんですか?」
聞いた瞬間、鋭い目を細めて笑った。
肩が揺れた時、煙草の匂いと混ざって、スパイシーな香水の香りに、ゾクゾクする。
「それは言えねぇ。いつか教えてやるよ」
可愛い…
そんな迫力ある顔してるのに、秘密にするとか…
なんか今まで怖いって思っていたのが嘘みたい。
祐樹さんって怖くない
「じゃあ、年はいくつなんですか?」
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