第45話
あまりのことに茫然自失している俺に、そっと近づいた一路が声を掛ける。
「知り合いですか?」
知り合い…
ああ、知ってる。
見間違い、なんかじゃねぇ。
あいつは俺の大切な、たったひとりの女だ。
こんな夜の歌舞伎町にいる奴じゃねぇ。
「あの子、こないだの子じゃないっすか?」
タクシーの消えた先を見つめながら、不思議そうに翔が呟く。
その言葉に問い詰めるようなキツい視線を投げる。
「…なんの事だ?」
俺の問いに答えたのは、一路だった。
「翔が暴れた時、巻き込んでしまった堅気さんですよ」
その言葉にハッとして、一路に詰め寄る。
「あいつに怪我をさせたのか?!」
怒鳴り声に、周りに野次馬が集まってきた。
チッ、うぜぇ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます