第25話
「イズミは昔っから男運がない。まあ、私も人のことはいえないけどね」
言いながら煙草の煙を吐く。
「地元から離れるくらいだから、男となんかあったんじゃない?」
さすがトモ……
わかってらっしゃる…
でも、洋人の事は言いたくない…
暴力を振るわれてたなんて言ったら…
洋人の名前に悪夢を思い出し、勝手に体が震えてきた。
「…イズミ?」
トモの声にビクッとしながら視線を向けると、険しい顔をしてこちらを見つめるトモと目があった。
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