第16話

「い、いえっ。大丈夫です!家も近いんで…」



悲鳴にも似た自分の声。




やだやだっ!

これ以上関わりたくないっ!



ーー関わっちゃいけない。




「…しかし」



「ほんと平気です!」




体を動かして、大丈夫をアピールすると、あたしの気持ちがわかったのか男が頷いた。




「わかりました。では何かあったらこちらに連絡下さい」




そう言って、一枚の名刺を渡してきた。




受け取った名刺からチラリと見えた名前に、一瞬にして緊張する。




「……新城組……」




無意識のうちに口に出す。



ーーああ。



夢、かな。

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