第10話

ダメだ……

今日はほんとしんどいかも…




椅子に腰を下ろして、両手で顔を覆った。




「…何があったの?私で良ければ聞くわよ」



結衣さんに話してもどうしようもない事なのに、その優しい声を聞いたら言葉がこぼれた。



「大したことじゃ無いんです…。ただ夢にうなされただけ…」




それでも、くわしくは話せなくて、曖昧に言う。




「どんな夢なの?」



「過去の夢ですよ。……結衣さんも見たりしますか?」




普段通りの調子を見せようと、変に笑顔を作ってしまう。



そんなあたしが見つめる先、少し考え込んだように眉を下げた後、結衣さんが口を開いた。

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