第39話 いよいよ放課後デート

 冬からそっと離れて、背を向ける。

 冬が身体をこっちに向けているって、視線でハッキリと分かる。


 背中だけど私の全裸を視られてるって思うと、ドキドキが止まらない。


 ブラウスから着るんだっけ?

 スカートからだっけ?

 今の状況に服を着る順番さえ、分からなくなるって言うか……正確には、どこから隠すのが正解なの?って思う。


「瑞稀の肌ってスベスベで綺麗だよな」

 後ろからそんな言葉を掛けられたら……ね?

 色々と大丈夫かなって気にしていたけど、もういいってなっちゃう。


 お尻を突き出してソックスから履きますっ。

 もう、じっくり視て、私をドキドキさせて。

 冬もドキドキして。


 ――って、これだけで濡れてきちゃうし、乳首はツンと勃っちゃうし。

 既にドキドキしてます。

 背中でこれだと正面から視られてたら、恥ずかしくて顔を手で隠しちゃうのは確実だよね。


「はぁ……っん」

 もう、吐き出す息もこれです。


 ゆっくりとソックスを履いて、今度はブラウスを手に取る。

 ブラウスもゆっくりと着てから、時間をかけてボタンをとめて。

 そしてスカートを履く前にリボンタイを。


「んんぅ……」

 どうしても吐き出す息に声が混ざってしまう。

 お尻と濡れていく秘部を堪能してねって。

 ウソです。

 視られて勝手に興奮してるのは私です。


 チアユニはチアユニで恥ずかしいのだけど、制服になると今度はブラウスから乳房の突起が透けて見えてしまうから、恥ずかしさの種類が違うんだよね。

 どっちも刺激的には変わりないけど。


 私がようやくスカートを履き終えたところで

「あのさぁ。ポニテの瑞稀も髪を降ろしてる瑞稀も好きなんだけど。制服にポニテって、瑞稀はしないだろ?――だから髪の毛はそのままがいい」

 キャーっ……リクエスト頂きましたぁー。

 喜んで―。


 確かに普段は髪は降ろしてるしね。

 ちゃんとそういう所も見てくれていたんだなぁって思うと、嬉しさしかないよね。

 前髪を指先で弄って整えて。

 ブラウスとスカートとリボンタイも整えて準備OK。


 クルンと半回転して冬に方に身体を向けると、やっちゃいました。

 スカートが翻って、恥ずかしい所を早速、自分から……。

 うわぁぁぁぁ……恥ずかしい。


 恥ずかしくて俯くけど、チラっと上目遣いで冬の顔を見て

「に……似合う?」

 もう制服にポニテじゃなくて、これだと超ミニプリーツの制服の下に何も履いてなくて、無毛のソコと透けて見ている乳房の突起を見せつけるポーズが似合う?になっちゃってるよ。


 ニコリと嬉しそうに笑ながら即答で

「似合うに決まってる」

 答えは分かっていても、シレっと当然のように即答で言われると嬉しい。


 冬の着替えが終わったら、いよいよ憧れの制服放課後デート。

 カッコいい男子と、痴女の構図だけど。

 痴女でもいいもん。

 冬が喜んでくれるなら。


 手を繋ぐ?

 それとも腕を組む?

 はぁ……ドキドキする。

 あれだけ、色々されて、たくさん視られてたりしてるけど。

 

 でも、デートって特別だよね。

 デート中に甘いキスとか憧れるでしょ?

 期待もしちゃうし。


 冬の着替えも終わって、いよいよデートへ。

 今までは学校内だったけど、校門から一歩外に出たら、やっぱり今の恰好の恥ずかしさの度合いは増すよね。

 分かっていたけど……。


 だって、乳房の突起が透けて見えてるんだもん。

 あと、通学の時はスカートの丈はこんなにも短くないもん。

 ギリギリの丈でノーパンって、それはもう……ドキドキです。

 凄く刺激的です。


 でも、冬と一緒だから大丈夫。

 視られるだろうけど、大丈夫。


 もうね。

 校舎から校門に至るまで、冬と手を繋いで歩いてるだけで、視線がーっですよ。


 なるべく冬が私の身体を隠すような位置取りで、一緒に歩いてくれるんだけど、

どうしても冬が女子と手を繋いでるっていうのは分かっちゃうから。


 今の恰好じゃなければ、私もドヤ顔できるんだけどね。

 冬のカノジョは私、桃瀬瑞稀だよって。


 でも、今はちょっとね。

 『桃瀬のスカート短かすぎね?』

 『あれさノーブラなんじゃね?』

 『つか、ノーパン?』

 状態になっちゃうからね。

 自重してます。


 それでも、冬は優しいばかりじゃなくて、意地悪だからさ、人目の無いところでスカートをめくったりしてくるし。

 

「あんっ……えっち」

 私は私で嬉しそうに甘えた声で言っちゃってるし。


 こんなに恥ずかしいのに、どんどん気持ちが盛り上がって行って、体温が上昇していくのが分かる。

 冬とこうしている時間が大好きで仕方がないから。

 冬は特別なんだよって思うし、分かって欲しいから。


 これって私の恥ずかしい性癖だけじゃなくて、冬マジックです。

 冬がいなかったら私は、こんな格好で出歩かないもん。

 スカートをめくられてお尻を曝け出して、甘い声なんて出さないもん。


 校門に出る頃には、すっかり蕩けてます。

 ふにゃふにゃです。


 ――校門から1歩出た瞬間に不意打ちでギュウって冬に抱き締められて、トロトロな私を更に蕩けさせてきて。


「瑞稀さ。言ったと思うけど、オレ以外の男に視られたくないんだよね」

 うひゃーっ……いきなりここで独占欲を剥き出しに。

 私の被独占欲を着火させてくるし。


「デートの時はスカート抑えていいし、胸もさりげなく隠して」

 ぎゃーっ……冬にも言ってないマイルールがバレてる。

 恥ずかしい。

 けど、二人だけの秘密って感じが嬉しくて――。

 

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