第36話 綺麗にして

 ――冬のせいだからね。

 あんなにも気持ち良いって教えてくれたのは。

 

 私は冬が座っている前まで歩いて、自らスカートをたくしあげる。

 トロトロに溢れているあそこを冬の眼前に晒し


「綺麗にして……ここっ」

 自分でも驚く程、積極的で具体的なおねだりをしちゃう。

 冬と一緒にいると、どんどんえっちになるっていうか……

 えと、その……欲望剥き出しになっちゃう。


 冬に気持ち良くされたいって思っちゃう。


 冬の指先が垂れている腿の蜜をなぞってきて、私の身体はピクンと跳ねる。

「あぁっ……んっ」

 もちろん、私はエッチな声が口から出ちゃう。


 指に付いた私の蜜を、舌を出してペロリと舐める仕草にセクシーさと、あの舌でって期待感を募らせて……。

 冬が飲み込むタイミングに合わせて、私も唾を飲み込んでしまう。


「スカートに付くから、そのまま持ってて」

 その言葉に、急激に恥ずかしくなる。

 おねだりまでは何とか……って感じだけど。


 私がチアスカートをたくしあげたまま、自ら曝け出している恥ずかしい場所を冬に舐めらるって……。

 そして、えっちな声を出して、蕩けてる顔をして……って。


 どこからどう見ても、エッチな女の子だよね。

 言い訳できないくらいに。

 しかも、チアユニなのにアンスコとかショーツとか、どこにもなくて、あそこを丸出しにしてるんだから。


 恥ずかしくて顔を隠したいのに両手が塞がちゃって、何もかもが全部が全部、冬が私の羞恥心を刺激してくれている事に気付いた。


 たぶん、これからされる事が今日の中で一番、気持ち良いって予感がする。

 期待感も煽られて、さっきまでは私はエッチなポーズで見せつけていた後だし。

 舐められる前から、こんなにトロトロになってるんだもん。


 ゾクゾクする。

 身体が震えちゃう。

 もう何かされてみたいに。

 舌先があそこに触れただけで絶頂しそう。


 冬も分かっているのか、内腿をなぞっては指先で蜜を掬うけど、それを繰り返される度に、トロトロと垂れてしまって……。

 太腿を擦り合わせたいけど、太腿を小さく震わせながらも足は開いたままで。

 背が反ってもどかしそうに

「あっ、あぁぁっ……んぅぅっ……あぁっ……」

 請うように喘いじゃう。


 こうやって甘く意地悪に苛められるのも好き。

 される側の特権って言い方はおかしいかもだけど、

 いつ舐めてくれるの?とか、する側には分からない期待感だと思う。


 気持ちと連動して、身体全体が性感帯のようになっちゃうのも、女の子の特権だと思う。

 好きな人に触れられて、それだけで気持ち良くなって、心も満ち足りて。


 冬は雰囲気を作るのも、気持ちを昂らせてくるのも、言葉で煽ってくるのも、すっごく上手いと思う。

 冬のカノジョで良かったって思う。

 麻美とかは冬のこの良さが分かるのかな?って思っちゃう。


 意地悪されるのが好きじゃないと冬に蕩けれないよって。

 普通に甘くて蕩けるのも上手いけど、使い分けてくれた方が色々な刺激があって……。

 その使い分けが冬は抜群なんだよね。


 恥ずかしいけど、冬にだけは私がMだって教えてよかったと思う。

 そして、Mで良かったとすら思っちゃうからMなんだろうなぁ……。


 やっぱり私っておかしい?

 ヘンタイなのかな?


 でもさ、ただ好きってだけじゃ長続きしないでしょ?

 特に冬はドSなんだしさっ。

 

 私が、もう無理って時に、ほら……。

 冬のザラリとした舌の感覚が。

 そして私の敏感な場所を舌の先で突いて、唇で吸って。

 強い刺激を一気に与えられたら、仕方ないよね。


 スカートをめくっている手の力がギュウと入って、もう全開になるまでめくりあげて、身体がエビぞりになって、今までの我慢を吐き出すように……。


「あっ、あっ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 甲高い喘いでいるのか、悲鳴なのか分からないくらいの嬌声を大きくあげて、快感が身体を貫くと、一気に軟体動物のように脱力して、ふにゃって。


 冬がちゃんと私の身体を支えてくれる安心感。

 気にせずに絶頂できる信頼感。

 うん、大切だよね。

 恥ずかしいけど。


 綺麗にしてって言った通りに、あたしが果てた後も舌で愛液を掬い取って、コクンって飲み込む音が聞こえる。

 気持ち良くてウットリして、蕩けちゃうんだよ。


「はっ、はぁっ……あんっ…あぁぁんっ……」

 あぁぁっ……冬、それ以上、続けられたら止まらないよぅ。

 いつまで経っても綺麗にならないよぅ。


 でも、気持ち良くて私は腰を前後に動かして、無意識に感じる場所に舌を誘導しちゃう。


「あっ、あっ、そこ……あぁぁっ、きもちいい……ふゆぅ…きもちいい……ふゆぅ……」

 私は冬の名前を呼んで、いかに冬の事が好きなのか、冬にされるのが気持ち良いのか訴える。


 冬の舌の動きが激しくなっていくのは、与えられる刺激と大きくなる淫靡な音で分かる。

 そして、私の喘ぐ声も、息使いも身体のうねりも大きくなる。


 また身体中に小さくなっていた波が大きくなって押し寄せてくる感じて、それが気持ち良くて、波が引いたり押し寄せたり。

 ウットリとして波を感じながら甘い息を漏らして――。

 

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