第35話 二人きりだから

 冬に甘えるように抱き付いて、冬からも抱き寄せられて、あまーい雰囲気に浸っていたら、冬がそっと耳打ちしてきた。

「あれより薄い生地のアンスコってあるの?」


 顔からまたボッって火を噴いちゃった。

 アンスコの事は言わないでーっ。

 顔が熱い。

 恥ずかしいから。


 でも、あれより薄い生地のって尋ねてきた事が嬉しくもあって。

 冬専用って分かったのかなって。

 いつもじゃないんだよ。

 あのアンスコはさ。


 「探せば……あると思うけど……」

 モゾっと太腿を動かして言葉を濁して言ったのはのは、もうそれってパンツなんだもん。

 しかもクロッチレスの。

 想像しちゃう。

 ゾクゾクしちゃうから、するの分かってるから、あの薄さが限界なのーっ。


「そっか。瑞稀って直履きだもんな。水色が紺になってるの他の男に視られるのオレもヤだしな」

 うわーっ、意地悪。

 分かってたんだ。

 それも。


 だからなんだよぅ。

 限界の薄さっていうのはさ。

 恥ずかしいから指摘しないで。


 冬には知られてもいいけど、こうやって意地悪を言ってきながら、

『他の男に見られたくないって』

 独占欲まで出されたら、堪りません。

 被独占欲が刺激されちゃう。


「……えっち」

 小さい声で言ったのは、冬に対してなのか、私自身に向けてなのか自分でも分からない。

 抗議したのか、私はえっちだよって言ったのか、ホントにどっちなんだろう……。


 背中にある手が下に降りて、チアスカートの後がそっとめくりあげられ、肩越しから丸出しのお尻を視てくる冬。

 やぁぁっん、今は、もっと恥ずかしい恰好をしているって意識させるような行動と視線にお尻が寄れちゃう。

 揺らしちゃう。

 もちろん、私から隠さないし、拒否もしないけど。


「でも、今日はもっと凄いのが視れるから、関係ないか」

 冬は私にそんな事させないって分かってるけど、脳内では、パンツを見せながら応援している私から、無防備に曝け出している恥ずかしい所を下から視られて、胸の突起を浮かせて、応援している姿に変わって……。

 してみたいなぁって思う心を、ダメダメって抑え込むのに必死。


「そ、そうだよ……もうっ……」

 今日はこの格好で応援するから、視てねって云うようにも受け取れる言葉を恥ずかしそうな声音で言っちゃう。

 無意識に本音が漏れちゃう。


 冬はクスクスって楽しそうに笑いながら、私の耳に息を吹き掛けてきて。

「んっ……」

 ――って、肩をピクッと反応させて、小さくて甘い声を出して身体をよじらせちゃう。

 甘いんだか意地悪なんだか……。

 両方の冬が好きだから、良いんだけど。


「他の男に視られたくないって言っただろ」

 はぁぁっ、その言葉を何回も聞きたくて、冬の独占欲をもっとって思って、『そうだよ』って言ったんだけど、ちゃんと『オレだけ』みたいに言ってくるんだもん。

 蕩ける、蕩けちゃう。

 無防備なお尻を視られながら、蕩けちゃうのも恥ずかしいけど。


「うんっ……ねっ。コートに冬だけなら、いいのに……」

 ぁぁ……本音が勝手に……。

 私、やる気満々じゃん。

 なに、『ねっ』とか言ってるのよ。

 どこまで冬に視られたいのよっ。


 そしたら、冬の身体が離れて、私の肩にを手置いて身体を離してくる。

 やだっ。

 まだ、このままギュってしていたいのに。

 抱き付いていたいのに。


 冬が数歩さがって、ペタンって地面に座って下から見上げてきて……。

「これくらい?」

 満足そうにしているのは、視えてるんだよね。

 私の剥き出しのソコが……。


 このアングルで冬に視られると、私はダメになっちゃう。

 コクって小さく頷くと、腰に両手を当てて、脚を拡げて。

 恥ずかしい。

 この自分から視てって言ってるような仕草がすごく……。


 でも、そこから一気に大きく片足を上にあげてハイキック。

 その脚を手で持って固定させて……。

 チアの大胆なポーズ。

 私、可愛い?

 冬になら、こんな事もできちゃうんだよ。


 麻美の言う通り、ヘンタイです。

 こうやって、恥ずかしい場所を自分から視せてます。

 そして、冬から注がれる視線に、トロって溢れさせて、胸のポッチを強調させています。


「んっ、はぁぁっ……」

 えっちな吐息になってます。

 きっと私の顔もウットリしてるんだろうなぁ……。


 冬の前だと、色々と抑えれないんだよ。

 いっぱい、色々な気持ちが溢れ出くるの。

 誰も知らない奥底を冬には知って欲しいって思っちゃうの。

 冬の視線が大好きで、冬もちゃんと視てくれて。

 私だけを視てくれてるって思うと、嬉しくて。


 脚を戻して、軽くジャンプしてスカートを翻して、クルンって空中スピン。

 この下半身が外気に触れて、空気が撫でてくる感覚と、ノーブラの乳房が大きく揺れる感触が凄くえっちくて、クセになりそう。


「んっ……あぁっ……」

 甘ったるい声が出ちゃう。

 腹部の奥がキュンキュンと疼いて、胸の突起はトップスに擦れて、刺激がやってきて、冬に視られていて。


 チラと冬の顔を見たら、もっとしてって言ってるみたいで。

 私は、今度は片足を横に上げて、脚を固定させて。

 恥ずかしい場所の奥まで、中まで視られてる感じに、トロトロと蜜を溢れさせて。

 冬、もっと視て。

 視線で私の身体を貫いて――。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る