第27話 お昼ごはん
冬とこうしている時間が好き。
でも、放課後デートも憧れる。
部活の活動なんて今日は無ければいいのにって思ってしまう。
ここが冬のお部屋で、お部屋デート中ならもっといいのになぁ。
しかも、明日は休日。
デート中に人目を忍んで、コッソリと私に意地悪。
きゃーっ、やぁん、喜んで―。
すっかり浮かれて妄想の世界に入っていると、冬の背中にある片手が、私のお弁当袋を掴んで、ゴソゴソ中を開けていくのが分かる。
カパってお弁当箱の蓋をあけて
おもむろに卵焼きを指で摘まむと自分の唇で挟み、んっって私に片側を。
今日のお弁当はこうやって食べるの?食べさせてくれるの?
あぁんっ、喜んで―っ。
片側を唇で挟んで、モグと卵焼きの欠片を食べて、冬も食べると唇が触れ合う。
今日の卵焼きは砂糖の味しかしないけど。
冬に餌付けされてるように感じるけど、それもイヤじゃない。
だって、こうして食べさせてくれると、何を食べても、甘い味しかしなくて。
そして、徐々に触れ合う唇が重なり合って。
その頻度が増せば増す程、蕩けそうになる。
「……んっ……あっ、はぁっ」
もう、声も止まらない。
少女マンガのヒロインに憧れていたけど、むしろ、今は私に嫉妬するんじゃない?
って感じに、身体が蕩けていく。
だって、マンガのヒロインはお淑やかとか地味なのにって場合が多いから。
私みたいに冬を上から襲ってるような体勢になって、私の胸を冬の胸に押し付けたり、身体をよじって、突起に刺激を感じたりして、エッチな声を出さないでしょう?
しかも、チアユニなのに、スカートがめくれたままで、無防備なお尻りを丸出しにして、腰をうねうねさせてるし。
こんなのが許させるなんて……ね。
ワザとじゃないんだけど、こうなっちゃうの。
清純派ヒロインって、トロって蕩けて終わるんだろうけど、それで満足できるって何?
求めるよね?好きな人にあまーい雰囲気を作られたら、身も心も捧げたくならないのかなぁ。
って、今なら思う。
冬との時間は、ただ甘いだけじゃなくて、意地悪もされて、強い刺激も与えられて、気持ち良くさせてくれて、限界を超えて絶頂を迎えて。
そんな時間。
冬と二人きりに過ごす時間は色々と刺激的。
屋上で過ごす時間はあっと言う間に過ぎていった。
もちろん、屋上の外に出るには、あの小窓も階段も降りないといけないから、冬が何もしてこないなんてなくて。
冬のズボンにもシャツにも、いっぱい私の証をつけたもんね。
はい、つけさせられました。
教室に戻ったら、
「試合終わったら、どこに寄り道する?」
うわーんっ、放課後デート決定事項です。
デレデレと頬が緩みっぱなし。
でも、決定事項は、下着無しもだよね?
応援中はスポブラもアンスコも履かせてね。
履くからねっ!
冬以外には視られなくないし、ほら、首元の赤い印。
これ、絶対に周りから突っ込まれるよ。
「冬に任せる」
目をうるうるさせて、もじもじして乙女モード発動です。
「冬の行きたい所に行きたい」
甘える声で言ってしまう、健気なカノジョです。
「やっぱりカフェとかいきたいよな」
って冬の言葉にコクコクと頷く私。
こんなの相手が冬だと知ったら、他の女子から恨まれそうだけど。
贅沢とか言わそうだけど、冬との初放課後デートから、たぶん、ずっと
パンツとブラを履けない女の子がそんなに羨ましい?
どこに行くとしても、制服姿で下着無しなんだから。
私は嬉しいけど。
ずっと、意地悪されて、感じちゃうイケナイ私の身体と心。
他の人には冬はあげないからっ。
私の今日、履いてきた下着は冬にあげてるけど。
「とりあえず部室でお互いにシャワー浴びないとな」
もちろんですっ!
「オレはまぁ、構わないんだけどさ。すっげー汗かいたなぁーって終わるから」
冬が構わなくても、私が恥ずかしいって。
首を横にブンブンって振ってポニーテールを揺らして、
「だ、だめぇ……恥ずかしい……」
「瑞稀の証をシャワーで流すのってどうなの?」
シャツを摘まんでクンクンって嗅ぎながら言わないで―っ!
冬の顔をチラと見て
「…し、試合終わったら、またつけるからーっ」
うわーっ、何を言ってるの、私は。
悪戯な笑みを浮べて
「たくさん?」
いやーっ……聞いて来ないでよー。
両手で顔を隠して、小さく頷いて
「んぅっ……たくさん……」
ふはぁー、恥ずかしい。
太腿がもぞもぞ勝手に動いて、また下腹部の奥がキュンって疼く。
「んっ。期待しとく」
そう言って、おでこにキスを落としてくる冬。
周囲も確認しないで、ギュウと冬に抱き付いて
「し、試合……か、カッコいいとこ、見せてよ」
「そりゃまぁ……可愛いカノジョが応援してくれてる前で無様な姿を晒す気はないって」
はふぅーっ……。
このカレシはぁーっ!
「んぅっ……が、頑張って応援するから」
ニコリと嬉しそうに笑って頷く冬が、私を抱き締めてくれて、私が背伸びして目を閉じたら、当たり前のように口付けしてくれて。
ちゃんと応援できるのかなぁ……。
試合後のデートの事で頭がいっぱいだよ――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます