第26話  屋上1(好き)

 また冬の舌で私のソコを舐められて、きっと私は気持ち良くなりすぎて、絶頂を迎えてしまうって想像するのは容易い。

 想像っていうか、もう明白っていうか……。

 好きなんだもん。

 仕方ないよね。


 指で弄られるわけでもなく、舌でって、凄い間近で視られながら、私の蜜を飲まれながらだし。

 それに自分では舐めれないから。


 もちろん、チア部の私は、身体は柔らかいから脚を大きく開いて、上体をペタンて地面に付けれるけど。

 たぶん、刺激で舐め続けれないし、そもそも舐めようなんて思った事もないから。


 きっと好きな人に視られて、『瑞稀の蜜って美味しい』とか言われながら、舌先やザラリとした舌全体で舐められるのが好きなんだと思うし。

 気持ちが昂って、感度があがって、キュンって身体の奥が疼くのも、冬だから。


 そんな私をヘンタイだって思われても、冬にならいい。

 だけど、冬は私の事を、そんな風に思っていないと思う。

 意地悪だから言ってきて、私の気持ちを昂らせるように言うけど。


 だから余計に、好きが止まらない。

 冬、大好きだよ。


 安心して身を委ねられるって素敵な事だと思う。

 どれだけ冬の色に染められても、私は不快じゃないし、拒絶する気もない。

 むしろ、冬に染められたい。

 私を冬一色にして欲しい。


 冬の舌先が肉芽を突いてきたら、私の身体がピクンと跳ねる。

 唇の感覚がくると、唾液で更にシットリとさせてきて、舌全体で内側の下の唇をなぞってくる。

 焦らすような動きに、私の腰がうねって、お尻が左右に揺れる。


 ポニテを揺らしながら、顔を上げては下げて、唇から熱い熱を吐いて、そして……甘い声を冬に聞こえるように響かせる。

 『気持ち良いよ』って、分かって欲しいから。

 太腿が小さく震えて、脚がガクガクってなってるのも分かるけど、それを隠すつもりもないし。


 じわじわと脳を蕩けさせてくるような舌の動きに、本当に脳みそが蕩けているように感じる。


 私の中に入ろうとするように舌先が入り口を突いてくると、背中を大きく反らす。

 私の中の内壁が意志とは関係なく、求めるように動いているのも感じる。


 冬に貫かれたいって思うけど、ここではしないって分かるから、余計に焦らされてるように感じて、冬を欲してしまう。

 淫靡な水音と私の声が響くけど、声は屋上に向かって、クチュっと鳴る音はドアの向こうで響くのも、不思議な感覚。


 凄くエッチな感覚。

 けど、恥ずかしいけど、その音も壁越しじゃなくて、直接に聞きたいって思う。

 その音を大きさで私がどれくらい、濡らしているのか分からせて欲しいって。


 肉芽に強い刺激が突然きて、私は、快楽の世界にどっぷりと浸って、大きな甲高い声を響かせ、上半身を屋上の地面で倒れ込む。


 地面に這って、なんとか全身を屋上まで入れると、コロンと寝転がって、私を快楽の世界に導いて、気持ち良くさせてくれて、満たしてくれる大好きなカレが来るのを待つ。


 カレの顔が小窓から入ってくると、蕩けてる顔になってると思うけど、冬の顔を見つめて、嬉しそうに微笑む。

 冬も嬉しそうに微笑み返してくれるのが、すごくすごーく嬉しい。


「……冬、好き」

 一度、好きって言ってしまうと、恥ずかしいどころか、照れるどころか、もう、好きってずっと言っていたい。

 なんと言ってもカノジョだし。


「オレも瑞稀が好き」

 身体を屋上に入れながら、即答で、目は笑ってるけど、当たり前だろ?的な口調で返してくれるのも大好き。


 起き上がって抱き付きたいけど、身体に力が入らなくて……。

視線で「早くこっちに」と促すと、冬の身体があっと間に、全貌を見せて、私の隣に寝転がって。


「来たよ」

 ほら、通じてた。

 私の身体の下に手を回してきて、グイと力を入れながら、私は仰向けになったカレの上から覆う姿勢になる。


 これって、スカートがめくれてデリケートゾーンが地面に触れることを避けたんだよね。

 それと、私の勘だけど、私の印を付けるなら、私が上の方がいいもんね。


 冬に抱かれたまま、目を閉じて

「好き……大好き……」

 甘える声で言って、唇を閉じ、そっと前に突き出すと……。


 嬉しい。

 ほら、やっぱり。

 冬の唇と私の唇が重なり合って、冬は優しく髪の毛を撫でてくれる。

 『甘えてもいいよ』って、仕草で伝わってくる。


 もう、存分に甘えてるけど。

 顔の角度を変えて、何度もリップ音を響かせキスをしていると、唇の上下を啄んでくる甘いキスがやってきた。


 ぁぁっん。

 気持ち良い。

 あっまーい。

 スイーツみたいなキスにウットリしちゃう。


 キスでイかされたくらいだから、冬ってキスも上手くて好き。

「んっ、はっ、んぅ、はぁっ……」

 キスでメロメロにされて、私はもう夢中。


 冬の背中の手の指が肩甲骨の内側の柔らかい場所を、指先で押しては上下になぞってを繰り返す。

 ピクンと反応する私の身体。

 肩甲骨のどこが弱いかを確認するような動きに、私も反応で「そこ」だと教える。


 甘いキスと与えられる甘い刺激に、ふにゃふにゃな身体が更にふにゃってなる。

 そこって教えた場所を重点的に押すんだもん。

 強弱をつけて、リズムも変えて。


 私を虜にする、意地悪だけど優しくて甘いカレシとの時間も好き。

 私にとって理想のS男子。


 冬にとっても理想のカノジョになるから、何でも言ってね。

 そう言っても、きっと冬は「じゃあ」とかじゃなくて、「今の瑞稀が好き」って言ってくれそうだけど――。

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