第24話 小窓1(視線が刺さって)

 コクンと頷いて、まだまだ私の証を冬に刻む事を肯定したら、嬉しそうな声で

「瑞稀のえっち」

 なんて言ってくるのは反則っ。


「んぅぅっ……冬だから」

 誰にでも、こうなるわけじゃない事は分かってほしい。

 でも、逆に言えば、『冬にだけ私はエッチな女の子に様変わりする』って、意味でもあって。



 潤ませた瞳で冬の顔をチラと見てから、恥ずかして俯く。

 そしたら、冬の手があたしのポニテを弄ぶかのように、でも、優しく揺らして撫でてきて


「分かってるよ。瑞稀の証なんだから。オレだけって意味くらいはさ」

 私の愛液で冬をびしょびしょにさせる証の事を言われると、恥ずかしいけど、すっごく嬉しい。

 胸がキュンキュンってなる。

 きっと私は頬を緩めて、ニマニマと変な顔をして笑ってそう。


「そ、そうだよ。もっと証……欲しいんでしょ?」

 頑張って言い返したけど、これって、『もっと気持ち良くさせて』って、言ってるみたい。

 自分から言うのは恥ずかしいけど。

 でも、嘘じゃないから。



「ホンっトに可愛いなぁ」

 そう言って、背中に手を回してきて、ギュウって強くハグされると、このまま冬の腕の中で、胸の中で眠りにつきたいと思う。

 すごく心地よくて、目を閉じて身体を預ける。


「オレも抱き締めてよ」

 うわっーっ。

 また、そんな嬉しい事を、シレっと。

 ギュウするよ、しますともーっ!


 冬の背中に両手を回して、抱き締めて

「んっ…」

 って、甘い声も出して。


 ああー、幸せ。

 好きが止まらない。


 私を受け入れてくれる安心感ったら、それはもう……。

 そして、私も冬の事を全部、受け入れるから。

 意地悪くて甘くて、エッチだけど。

 そんな冬を好きになったんだから。

 私を気持ち良くさせる天才に、もう、出会う事はないって確信するくらいに好き。


 冬の呼吸と心臓の音を感じながら、無言のまま抱き合って、冬の温もりを感じて、合間にエッチな風が舞い込んできて、チアスカートをめくりあげたりするけど、今は全然気にしない。

 肩越しから感じる冬の視線も、気持ち良いから。


 どれくらい時間が経ったのか分からないけど、冬がそろそろと言うように、私の腰を両手で持って、軽々とヒョイと持ち上げて立たせる。

 うん、スポーツマンって感じがして、頼もしくて男らしさを感じる。


「このまま、こうしていたいけど、時間がね」

 私の気持ちを代弁するかのような言葉に、気持ちが通じ合ってると思うと、

下からスカートの中を視られていようが、関係ない。


 コクコクと頷いてみせる。

 私もだよって。


 冬が膝立ちしてきて、膝で前に進んでくると、扉の横の下にある小窓を

また、ガチャガチャと音を鳴らして、動かすのジーっと見つめる。

 ガタンと音を立てて小窓を外すと、私の方に顔を向けて、手招き。

 首を傾げて見下ろしている私に


「ここから入れるんだよ。屋上にさ」

 確かに、大きさから人が一人くぐれるスペースがポッカリと。


「瑞稀、先に」

「えっ?どうして?」

 そのまま冬が先に屋上に行くと思っていたから、なんで?と尋ねると、冬は小窓をくぐるために四つん這いになってみせて、顔をこっちに向けて


「オレが先に行ったら、瑞稀を守ってあげれないだろ?」

 うっ……確かにそうかもだけど、えーっと……

 冬が見ている前でその姿勢になるのも、相当に……。

 だって、お尻丸見えだし、途中で何か……。


 んんっ、あんっ。

 これは、絶対に何かされる。

 太腿が自然とモゾって動く。

 何かされたい。


「わ、わかったよぅ」

 仕方ないを押し出して言うけど、また私は妄想炸裂させている事は、バレていると思う。

 無駄と思っても足掻いていたいんだよ。


 冬が私がくぐれるようにスペースをあけると、そこまで歩いて。

チラとスカートの中を視姦するように何かを確認しているかのような視線を感じながら、ゆっくりと腰を降ろして、手を地面について、お尻を突き出して……。


 うわっ。

 恥ずかしい。

 さっきまで甘かったのに。

 いきなり意地悪を再開されたみたいで。


 冬の手がそっとスカートの上側を捲って、無防備なお尻を丸見えにさせてきて

「うぅんっ……も、もうっ……、えっち」

 甘い声で言っても意味ないけど、言いたいんだもん。


「チアユニなのに、お尻がこうして全部、見えてるって可愛いよな。あっ、生のね」

 うぎゃぁぁぁ……、ダメっ、言わないで。

 このままだと、あたし、試合中にこの格好で冬を応援してしまいそうだから。

 冬だけに視られるなら、するよ?

 でもさ、意識させないでよ、無理だから。


 顔から火を噴き出しているのが分かるくらいに熱を持っているのが分かって。

 その、何かエッチな事を想像していますって顔が見られないように、バレないように、そむけて


「ま、守ってよ」

 そう言って屋上側に手を突いて、グイと上半身を枠の中に入れる。

振り向いても、冬の顔も見れないし、視界に入るのは誰もいない屋上の景色だけ。


 私の剥き出しのお尻に刺さる視線に、また身体の奥が疼くのが分かる。

 こんな姿勢で、こんな体勢で冬が何もしない訳がない。

 濡らしている私の秘部を間近で視られて、興奮度が増して、また奥からトロって溢れ出しているのも見えているだろうし。

 

 恥ずかしいけど、 何かされるのは期待してしまうのは仕方ないと思う。

 腰を揺らしながら、つい、太腿を大きく開いて――。



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