第17話 着替え3(おあずけ)

 乳房を曝け出して冬の熱い視線が刺さり、触って欲しそうにアピールしている私の乳首。

 そこを……。


 ――舐めて欲しい。

 ――気持ち良くして欲しい。

 冬から与えられる甘い刺激を欲する。


 だけど、冬の手はアピールを無視するかのように、乳房の上にあるチアユニを掴んで、ずいっと下へ降ろす。

 胸元の突起は、チアユニを押してぷっくりと主張を続けているままで。


「えっ?」

 思わず、『続きは?』と言いたげに言葉を発するも

「おあずけ」

 平然とした口調で意地悪な返事が返ってきた。


 やだ、ウソっ。お預けとか、そんなっ……。

 潤んだ瞳で冬の顔を見つめるけど、冬は悪戯な笑顔を浮かべて


「屋上に行くよ」

 お預けされたまま、屋上でお昼ご飯だと云う事は理解した。


 ――でも、これは何だろう?

 ――私、冬に調教されてる?

 そう思うと、イヤじゃないから、どうしても意識してしまって、身体が火照る。


 冬が敢えて『おあずけ』を強いしてくるのは、きっと理由があって、それは私を気持ちよくさせてくれるためなのだと確信している。


 だから……。

 ――屋上でご飯を食べながら、触れられるのかな。

 ――舌で舐めてくれるのかな。

 ――このチアユニを押し上げてる、私の乳首を吸われたり?

 こんな妄想ばかりしてしまう。


 ダメダメ。

 そんな妄想していたら、おねだりしたくなる。

 小さく首を横に振って、椅子から立ち上がり、カバンに制服を押し込んで、冬の顔を見上げた。


 でも、冬は私が座っていた椅子の座面を見ていて、不思議に思って私も、冬が見ている場所に視線を移す。


「……っ!?」

 そこは私の愛液で、びしょ濡れになっていて。


 慌てて、カバンからティッシュを取ろうとしたけど、冬の手で制された。

「このままにしておこう」


 こんなの誰かに視られたら、私がここで椅子をびしょびしょにさせるくらいに濡らしていた事がバレバレって事に……。


 冬と何かしていた事が公になってしまうけど、冬はいいのかな?

 こういう意地悪されるのも好きだけど。

 女子からモテる冬が、私を選んでくれた気もして、妙に嬉しくなる。


 お互いの視線を少しだけ絡ませてから、冬は空いている窓を見て手を伸ばす。

 風に揺れる冬の髪の毛が、セクシーで。


 ぽーっと見惚れていると、窓を閉めた冬の手が私の手を取って、指を絡めてきて、私も照れながら指の間の指を絡ませる。

 恋人繋ぎってやつだよね。

 それを意識すると、また心臓の鼓動が煩くなる。


 お互いの手の温もりを感じるけど、冬の手も熱くなっているような気がして、熱くなってる頬が自然と緩む。

 照れるけど、ゆっくりと歩いて教室を出て廊下に。

 幸い、人はいないけど、冬の視線が胸に刺さる。


 チアユニを思いっきり押し上げている2つのポッチ。

 恥ずかしいけど、自分の手では隠さないマイルール。

 困ったように眉を下げて冬の顔を見れば、じーっと私を見つめてくる冬。

「腕を組む?」


 その言葉にボっと顔から火が出るけど、絡み合った指をほどいて、繋がれた手を名残惜しく離すと、腕を差し出してくる冬。

 甘えるように、両胸を隠すようにして冬の腕にしがみつく。


 冬の腕に私の胸を押し付けると、ますます固くなる乳首。

 チラッと冬の顔をうかがうように見上げると


「凄いね」

「ばかっ」

 恥ずかしくて顔も肩に押し付ける。


 恋人同士なのかな。

 こんな風に学校の廊下で腕を組んで、甘えるようにしている私だけど、誰かに見られても気にしないような冬に、期待感を抱く。


 誰もいない廊下をゆっくりと、ちょこちょこと歩幅を小さくして歩く私のペースに合わせて、歩いてくれる冬。

 こういう所は、紳士っていうか……。

 女の子の扱い方が上手いなぁと思ってしまう。


 うん、冬がモテるのも納得だよね。

 そんな冬と腕を組ん廊下を歩く私は、ちょっぴり優越感に浸る。


 奥にある屋上に続く階段に到着して、顔を上にあげると、また想像が……。 

 ――このまま階段を昇ったら。

 ――下から誰かに視られたら。


 恥ずかし過ぎるけど、こんなシチュエーションだからこそ屋上?

 冬の意地悪は本当に刺さる。


 チアユニだからこそ、恥ずかしい。

 だって、視られてもいいアンスコも、視られたら恥ずかしいけど、下着すら無いんだもん。

 誰だって、見えるのは水色のアンスコだって思うよね。

 だから、これって制服以上に恥ずかしいと悟った。


 冬が階段に足をかけると、腕を組んでいるから当たり前だけど、私も冬に合わせて、階段に足を掛ける。

 スリル満点で心臓がドキドキする。


 後ろを振り返って、誰も居ない事を確かめて。

 冬のスポーツマンらしい腕に、また甘えるように顔を押し付け、熱い息を冬の腕に向かって吐き出しては、ギュっと柔らかいけど、先端だけが固い胸を押し付ける。


 今の私の状況を、冬に教えるようにして――。

 もう、こんなにもなってるんだよって――。

 誰かのせいで……。

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