第16話 着替え2(撮影されて)

 水色の薄手のアンスコはスルーして、そのままブラウスのボタンに手をかけ

ボタンを外していくと、いきなり響いたシャッター音。

 ビクっとして音の方に顔を向ければ、冬がスマホを構えて私を見ていた。

「ちょっ……だめ」

 首を横に振りながら、写真を撮られるのは恥ずかしいとアピール。


 スカートを履き替えた時は、茶化す言葉もなければ、何のアクションもなかったのに。

 不意打ちの意地悪に羞恥を煽られたら、ヤバイんだって。

今、こうして冬に写真を撮られている意地悪だって、キライじゃないんだから。


 胸元とスカートは手で抑えないマイルールを守って、乳房を曝け出したままの私。

口角を少し上げニィっとした顔で、スマホ越しに私の姿を視ている冬。

 無駄だと分かっていたけど、やめる気は無いらしい。


 太腿が自然とモゾっと動き、さっさと着替えを終わらせようと思考を切り替え、ブラウスを脱いで、上半身裸になった時にもパシャリ。

 さっきより格段に露出度があがっている姿を撮られて、恥ずかしいのに嬉しい複雑な気分。


「さっきと、乳首が違ってるね」

意地悪な言い方で、私の乳首が再び固くなっている事を指摘してくるから困る。

 意識しないようにしていたけど、私も意識させられてしまう言葉攻めに、踊らされているのを自覚して、余計に恥ずかしさが増していく。


「……っ。言われなくても分かってるよぅ」

ああ、また私のM性が呼び起こされ、甘えるような声で、肯定してしまった。

「でも、言われた方が嬉しいだろ?」

 この男はどうして、こんなにも私がゾクゾクってしてしまう言葉を言ってくるのだろう。


「あぁんっ……」

 これ返事としては、たぶん一番ダメなやつだ。

写真を撮られて、意地悪く言葉攻めされて、えっちな声をだすって、もう……色々な事がバレバレだと思うと、それすらゾクゾクッとさせる刺激になる。


 教室に響き渡るシャッター音にいちいち反応して身体を少しくねらせながら、水色に白のラインが入ったチアユニの袖に腕を通す。

 そして、頭からすっぽりと被るようにした時にもシャッター音が響く。

分かってるから。またさっきより違って尖らせている事くらい。


 横目で冬を見ると、またニィって悪戯っ子のような笑みを見せてきて、乳房を隠せていない恰好の私に両腕を伸ばしてくる。

「な、何?」


 まだ首を通しただけで、2つの整った形の胸の山に達していないチアユニをギュっと固定させるように抑えてきて、無言のまま乳房に顔を寄せてくる冬。

 唇を少し開いて、チロっと舌を出して、乳房の輪郭を舌でなぞり滑らせてきた。


「あっ、あぁんっ」

 背中を少し反らせて、甘ったるい声を出す私に向かって

「丸見えじゃない所に。だったよね」

 なんて言ってくる冬の言葉は、すぐに理解できた。

チアユニなら透けていないし、乳房に冬の印を刻んでくるのだと。


 恥ずかしいけど、嬉しい不意打ちの攻撃に、もう私は抵抗の意志もなくて、恥らないながらも甘えるエッチな女の子モード。

 コクンと頷き、素直な肯定。

きっと、また私は冬に気持ち良くされられるんだって思うと、冬から与えられる刺激を期待しているから。


 写された画像は視ていないけど、きっと私からユニをたくしあげて、ノーブラの乳房を見せているような恥ずかしいポーズになっていると容易に想像できる。

 そこに冬の唇と舌を感じれば、もうね。最初から、私がそのつもりだったと勘違いしてしまう程に、冬が好きだって事を自覚する。


 気持ち良さのあまり、椅子の背凭れに背中を預け、乳房を突き出す姿勢になって、冬の舌が徐々に輪郭の内側へと移動してくる快感と、証を刻まれる事を想像して。

「はぁ、はっ……んっ……あぁっ、あぁんっ」

 また顎が上がり、口を大きく開いて、喘ぐ私の声が教室に響き渡る。

この数十分の間で、私は何回……。


 冬の全てが私の好みだから、私がこんなに乱れるのも、全部やっぱり冬のせい。

甘ったるくて焦らすように動く冬の舌先に、背中がゾクゾクっとして、否応なく私の身体と心を熱くせていく。


 ぷくっと膨らみ、ツンと尖らせている乳首に痛みさえ感じるのに、乳房の突起まで冬の舌は届くことなく、唇が吸い付いてきて、チクっとした感触を与えられた場所は

乳輪の横。


 冬の髪の毛が乳首に触れ、まるで筆か何かで乳首を愛でられるような甘い刺激と、

大きく響くリップ音に、たまらず背中を反らせて。

「んんぅ……はぁっ、んっ……んっ、ぁっ……ああっ、あんっ」

さっきより大きな声で喘ぐ私の声が教室に響き渡る。


「ふぅっ、はぁっ……」

 甘ったるく感じる熱を帯びた息と声が混ざったモノが口をつき、蕩けていると自分でも分かる表情をしているのが恥ずかしい。

 唇を離した冬の顔を見てから、痛みを感じた場所に視線を移すと、冬の赤い刻印がクッキリと刻まれている事に、自然と笑みがこぼれる。


 冬も私の乳房に刻まれた赤い自身の証を、満足そうに見つめて

「スカートの中にもオレだけの印を付けていい?」

 なんて、『オレだけの印』を強調して言ってこられたら、否定なんて出来るわけがない。


 ついさっきまで、私の秘部を舌で舐められていた映像が脳内で再生されて、顔が燃えるように熱くなる。

 今の私は、どんな表情になっているか分からないけど、とにかく見られたら恥ずかしい表情をしているって予想は間違いはないと思う。


 両手で顔を覆って隠し、太腿をモゾモゾと内股にして擦り合わせ、首を縦に動かして肯定し、冬の独占欲を愛おしく感じつつも、私の被独占欲を冬に見せつけて――。


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