第11話 放課後の教室2(羞恥プレイ?)
私がブラウスからブラを抜き取る間、やっぱり冬は何もしてこなかった。
完全にノーパンノーブラになるまで、待ってくれていたんだなぁって思う。
『これって大切にされていると思ってもいいのかな』
なんて思うと、迂闊にも脚をパタパタと嬉しそうに動かしてしまう。
冬から見たら、私がこんな痴女みたいな恰好になって、嬉しそうにしているって勘違いされても仕方がないかも。
否定はしないけど。
否定できないけど。
けど、お互いにハッキリと『好き』とか『付き合って』とかの言葉は、無いままなんだよね。
セフレ扱いはイヤだなって、まだエッチもしていないんだけど思ってしまう。
冬は私を嬉しくさせる天才だけど、プチ露出のパートナー感覚なのかな……。
そんな事を思うと、何だか落ち着かなくてソワソワしてしまう。
私から『好き』って伝えるよりも、やっぱり冬からセクシーな声音で
『瑞稀、好きだよ』
――って、言われたいんだもん。
そして、ウットリとした瞳で冬の顔を見つめて、背伸びして私からキスをして……
って、妄想が止まらない。
エッチな音がスカートの奥から漏れ聞こえ、それはまるで、早く意地悪して私を気持ち良くさせて。と言っているみたいに響くのが、かなり恥ずかしい。
背中を向けたままだから、顔は見られていないけど、冬には全部、見透かされていると感じる。
はぁっ、と熱い息を吐き出すと、背後から私の首に冬の腕が巻き付いてきて、背中から抱き締められる。
私の肩に顎を乗せてきた冬の視線が、クッキリと輪郭をかたどっている胸の先端に突き刺さっているのがわかり、もうっと小さく言いながら冬の腕に手を置いて、
「あんまり視ないで」
控えめな言葉を投げ掛ければ、クスを笑った冬は
「それは無理。今の瑞稀って凄く可愛い」
なんて嬉しそうに言ってくる始末。
恥ずかしいけど、私だって嬉しいんだからね。言わないけど。
だけど、可愛いって言ってくれて、ノーパンノーブラになった甲斐があったって思うし、本当に私にこんなエッチな恰好になって欲しかったんだなぁって……。
ニマニマしちゃうよね。
顔を上げて窓に映る姿や表情を視ると、私の顔は相当ヤバイ事になってる。
何でこんなに嬉しそうなの?ってくらいで。
好きな人から背中からギュって抱き締められて、可愛いって言われて。
でも、私の恰好をしっかりと見ると、ブラウスから乳首を勃たせてるのに。
それを冬にじっくりと視姦されているようにガン見されているのに……。
うん。これは、すごーくヤバイ。
この後どうなるのかの事も気になるけど、私……きっと今からずっと下着を着けないで、冬と一緒に過ごしたいって思ってるって自覚したから。
毎日、冬に可愛いって言われながら、意地悪されたいって。ホントにヤバイ思考になってるよね。
不意に窓に映る私の目と冬の目が合うと、冬はニィって笑い、私の頬を人差し指でぷにっと突いてきて、そのまま窓に腕を伸ばして窓を開ける。
私の髪の毛が舞い込んできた風で揺れる。
首元のスカートと同じ柄のリボンタイもゆらゆらと揺れ動き、スカートの裾も微かに揺れて。
私のスカートの中に外気を感じるのが、えっちくて、ちょっぴり気持ちいいと思ってしまった。
「ちょっ……」
焦って言うけど、冬はそんな事はお構いなしで。
耳に風とは違う、熱い息をふーっと吹きかけてきて、私の恥ずかしい声が少し漏れ、ピクンと肩が上に跳ねるように動き、腹部の奥側が熱くなるのを感じているのもやっぱりお構いなしで
「瑞稀の声も、可愛いよな」
ワザとしている事を教えるように、しれーっと言ってくる。
恥ずかしいけど嬉しいよ。
『声も可愛い』なんてさ。
でも、私にはわかる。
分かってしまう。
今からもっと私に『声を出させるよ』って意味で言っている事くらいは。
「……んぅ……もうっ、冬ってば、調子よすぎ」
俯いて熱い息を吐き出し、冬が可愛いって言う格好になった途端に、甘い言葉を連発してくる事が不服だとばかりに抵抗を試みる。
だけど、実際問題、私はえっちな声を出して、胸を突起でブラウスを浮かしているのだから、効果なんてないよね。
案の定、冬は何事も無かったかのように……ううん、きっと分かっていて
「風が強いな」
なんて、強風を私に意識させるようにして言ってきた。
この格好で屋外に向かう事をイヤでも意識して、風で揺れる髪の毛のせいも相まって両手で顔を覆い隠した。
マイルールを破る気はないけど、こんな強風の中に外に出たら、間違いなく色々なモノが見えてしまうのを想像して。
そんな事を想像している私こそが、それを期待している事を冬は分かってるんだ。
正解だけどね。
冬にそんなエッチな私の事を知られているって嬉しいけど、凄くすごーく恥ずかしいんだよ。
でもね、知っていても引かない冬だからこそ、冬が私のはしたない姿を他の人に視られたくないって思っている事を分かっているから、私はコクンと頷いた――。
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