第8話  放課後前1(ノーパン直前)

 他のクラスメイトには、退屈だったと思う授業の終わりを知らせるチャイムが教室内に響き渡る。

 私にとっては、刺激が強すぎる授業だったけど。

ううん、今も刺激が強いままだけど……。


 でも、有意義で幸せを感じる授業だったと言い替えれるかもしれない。

 秋山の意外な一面を知れて、もっともっと秋山の事を知りたくなる授業だったから。

 私の秘密にしていた奥底も知られちゃったけど……。


 この後の予定は、短い休憩時間の後に、短いSHRがあって、昼食を摂った後にチア部としてバスケ部を試合の応援ってスケジュール。

 ――なんだけど、一体どうなるんだろう?

 チラッと秋山の方に顔を向ければ、既に秋山は私の方に顔を向けていて、自然と視線が合い、その悪戯な瞳に頭から湯気が立ち昇るくらい、顔が熱くて仕方なくて。


 恥ずかし過ぎて視線を逸らしたくなるけど、秋山の目から目を離せなくなる。

 ずっと見つめ合うのかなと思っていたら、秋山の方から視線が逸れた。


 秋山の視線が向かった先は私の胸元。

 ドクンと心臓を跳ねあがる。

(それって、やっぱり……脱いで。って事だよね)


 授業が終わると、普段だと席を立って友達の席に向かい、お喋りタイムなのだけど

今の私は、スカートをギリ丈にし、透けブラを隠す為のキャミも脱いじゃってるし、この格好のまま教室内を歩けば、何を言われるか……。


 何よりも、このまま秋山の隣に居たい気持ちが大きい。

 その気持ちの大きさに比例して、恥ずかしさも大きく膨らむ。


 動く気配が無い私を気にしてか、友達たちが遠くの席からチラチラと私を見てくるのが分かるけど、気付かないフリをして、椅子に座ったままでいる。

 秋山だって普段なら席を立って、どこかに行ってしまうのに、立つ気配が感じられないどころか、机をくっつけたままの状態で椅子ごと私の方に寄せてきたのは、照れるけど私と同じ気持ちなのだと思うと、すっごく嬉しい。


 透けているブラを隠すことなく、秋山に視られたままでいると、再び私の太腿は自然と擦り合わせるようにしてモゾモゾと動くのが分かって、それも凄く恥ずかしい。


 ――騒がしくなっていく教室。

 女子から人気がある秋山と仲良しそうに見えたり?

 それとなく、お喋りしているクラスメイト達を見回す私は意識し過ぎているのかも。


 秋山は落書きされたままの教科書をパタンと閉じて、カバンの中に仕舞い込むと、そっとスカートの横から手を入れてきて、パンツの横で結んである紐を指で摘まんできて……。

「脱がされたい派?自分で脱ぐ?」


 ピクンと身体を跳ねさせる私の事なんてお構いなしに、意地悪でいて私の心を乱してくる言葉を耳打ちしてくる。

 それも、吐息を耳に甘くて、熱っぽく吹きかけるように。


「んっ……はぁっ……」

 私の口から、熱を帯びた甘い吐息が漏れ、慌てて口に手を当てると、指先には半開きになっている私の唇の感触を感じて、

(やっぱり紐パンを履いていた事もバレてたんだ……)


 どれだけの部位を視られていたのか気になる。

 でも、秋山の仕草から察すると、本当に丸見えだったのだと思い、視られている様を思い出しては、色々とイケナイを想像してしまう。

 この状況で想像するなって言う方が無理でしょ?


(じゃあ……このまま脱ぐにしても、脱がされるにしても、このタイミングで紐パンが無くなったら、恥ずかしい場所が丸見えって事……だよね……)

 やっぱり私の思考は、履いている下着が無くなる事を前提としちゃってる。


 甘くて、それでいて私が好きな意地悪な言葉と仕草と、期待感を煽る秋山の表情。

 その全てが、このまま流れに身を委ねようと思ってしまう――。


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