第5話  授業中1(男子視点)

 オレには好きな女子がいる。

 クラスメイトでチア部に所属しているオレ好みの容姿を持つ桃瀬瑞稀がその人。

 水色をベースにした今時では珍しい、アンスコタイプのチアのユニフォーム姿がとても似合っていて可愛いなぁと、試合の度に思っていた。


 オレがバスケ部と云う事もあって、2階の応援席に陣取る桃瀬をコートから見つけることは容易だし、水色のアンスコが全開で見えてしまうアングルなのだから、ラッキーだと思うし、嬉しいと感じる。


 不満があるとすれば、オレだけではなく他の人からも視られる点だ。

 とは言ってもそれは仕方のない事で、それで満足し桃瀬にカッコいい所を見せようと、頑張れるのだから、悪い事じゃないと思っている。


 そんな女子が隣の席になり、日に日にスカートの丈が短くなり、今日は立つ以外の姿勢を取れば、スカートの中は丸見えだろうって思うくらいに短い丈な上に、ブラウスからは水色のブラが透けて見えているのだから、堪ったものじゃない。


 理性を抑えるのが大変だ。

 だって、オレは知っている。

 オレが自分の席に座ってからスカートの丈を調節している事をね。

 つまり、桃瀬はオレを意識しているって事だろう?と自惚れているわけじゃないし、勘違いでもないと思う。


 だって、座っているオレに近づいてきて奥の席に座る時も、スカートは抑えないでいるのだから。

 太腿が動くだけでチラと見える水色。

 椅子の背を持って引く時に少し前屈みになっただけで、水色のパンツが見える面積は大きくなる。

 そう、今日の桃瀬のパンツは水色だった。


 そして、そんな恰好をする女子は大好物だったりするから、オレとしては嬉しい限りだ。

 もっと言えば、透けて見えるブラも、少し動くだけで見えるパンツもオレ的には不要なのだが……。


 眠くなる授業が始まる前に隣から声が聞こえて、横に顔を向けると、教科書を忘れたらしい。

 桃瀬が椅子の端を持ってこちら向けて机をずらす時に足が開き、短か過ぎる丈のプリーツスカートの中がチラチラと見え隠れする。

 オレの方からも机を移動させ、机をくっつけて教科書を真ん中に置いて、授業が始まる。


 まだオレからはスカートの丈の事や、ブラが透けている事は言うつもりはない。

 このままオレの方から何もアクションがなかったら、桃瀬のスカートの丈はどうなるのかとか、もしかしたら、今度は下着が際どくなっていくのか……とか、考えると、何だか勿体ない気持ちになるからね。


 最終的には下着なんて不要とばかりに、胸を透けさせ、ギリ丈のスカートの中には

何も着けていない桃瀬を存分に可愛がりたいと思っているから。

 前提として、桃瀬がそんな女の子だったら、って話だけど。


 それを確かめる機会は唐突に訪れた。

 オレと桃瀬って相性が良いんじゃないか。と思った事件が起きる。

 それは、オレが消しゴムを落とした時に、ワザとだろ!と言いたくなるほどに脚を広げて、パンチラの大サービス。

 いや、もうこれはパンモロと言うべきか……。


 一旦、その姿勢になってからの桃瀬はパンツが見えている事など、お構いなしの様子で、いや、オレに視られる様に脚を大きく開けたままの状態だ。


 でも、オレに視られているのが分かってしるのだろう、時々、膝が内側に向けては、直ぐに見え易いように膝を外側に向けたり、少し太腿が揺れている気もする。

 これはもう、オレに視ていいよって言ってるようなモノだろう?

 だから、遠慮なく足の付け根の水色に視線を集めて、注ぎ込む。

 女子って視線に敏感だって聞くし。


 桃瀬だって、オレに視られている事くらいは分かっているはずなのに、サービス満点に振舞うのは、オレを誘っているのもあるだろうけど、根っ子の部分が重要だ。

 つまり、桃瀬って視られる事がキライじゃないって事。

 むしろ、視られたい派なのかなとさえ思う程だ。


 徐々に血色がよくなる太腿は、視られて恥ずかしいのか、興奮しているのか分からないが、オレの視線を感じ取っているという証拠だろう。

 いつになく大胆な桃瀬がそっぽ向いた時に、そっと上体を寄せ、耳元に顔を近づけ

言うつもりはなかった言葉を囁き尋ねる。


 ピクンと跳ねる肩と、口から零れる甘い吐息がオレの聴覚を擽ってくる。

 イヤどころか、むしろ、気持ちいいと言われている気分になる。


 オレの方に顔を向け、至近距離で視線で合わせながら、見たのか?と聞いてくるのも、可愛いと言うか、何と言うかだ。

 もう完全に見えてるからね。

 だから、呆れた表情の後に思いっきり悪戯な笑みを浮べては、胸元を見つめ

「お揃いなんだろ?」

 と、尋ね返す。

 ブラも透けて見えてるからね。


 それでも、胸を隠さずに顔の距離だけ離して、何色が好きかと尋ねてくるのは、オレのリクエストを叶えてくれると思っていいのだろうか。

 ここまでくれば躊躇う必要などないと思うのだけど、オレのリクエストを叶えてくれるのか?という意味も含めて、

「それは桃瀬だったらって事か?」

 と、尋ね返す。


 コクンと頷く桃瀬の顔は真っ赤に染まりながらも、何かを期待している様に見える。

 これって、桃瀬はオレ好みの女の子になりたいって事だよなぁと思う。

 好きな女の子が、これだけアプローチしてくれているのだから、遠慮なんて要らないと思うものの、意地悪く試すようにジワジワと攻めるのがオレ。


 もし、ノーパンノーブラが好きって言えば、桃瀬はどんな表情をするのだろう。

 そして、本当にそんな恰好になるのだろうか。

 そんな恰好になったとして、桃瀬は何を期待するのだろうか。

 オレの興味は尽きないし、桃瀬がオレ好みの女の子であって欲しいと思う――。

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