第48話
2029年、10月24日。
病院で迎えた、コールドスリープ前日の朝。
昨日、一昨日と、とにかく検査、検査の毎日。
ご飯の時間を除いて、朝から夕方までは全部検査漬けだった。
今日も朝食を終えると、それからは昼食の時間以外は検査とコールドスリープの説明の繰り返し。
覚悟はしていたけど、かなりこたえるなぁ。
…退屈な様々な検査を受けながら思うこと。
コールドスリープへの不安もあるけど、私の頭を支配しているのは、やはり光希のこと。
順調にいけば、今日の夕方には帰ってくる。
検査の終了予定が16時くらいだという話で、その後は面会も自由だから…ちょうどいい感じかな。
…早く逢いたいよ。
15時半。検査はもう少し続くけど、ちょっと時間が空いたので、一度自分の病室に戻って15分ほどの休憩になった。
「ふぅ」
息詰まるムードから一時解放され、ベッドに腰掛けて軽く深呼吸。
しばらくぼーっとしてからふとベッド脇の携帯を見ると、LINEがきていた。
…光希からだ!
ちょっぴりにやけながら、LINEを開く。
『予定通り空港に着いたからね』
『順調にいけば16時前に駅に着くからさ』
『病院には16時ちょいに行けると思うよ』
やっと…光希が帰ってきた…
『はぁい、わかりましたー』
『検査もそのくらいには終わるみたい』
『だから、丁度いいかも』
『じゃ、あとでねー♪』
と、とりあえず返信したところで、ちょうど看護師さんに呼ばれたので、すぐに次の検査へと向かう。
長かった検査ラッシュ…今は16時30分…くらい。
看護師さんからすべての検査が終わったことがあらためて告げられ、病室へ戻っていいとの指示が出た。
…んーっ!ひゃーーっ!
私の病室で光希が待ってるんだ!
待ちに待った光希との再会を一秒でも早めるため、いけないって分かってるけど、パタパタと小走りで自分の病室へと向かう私。
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