第42話

『ピンポーン』


玄関に飛び込むかのように一直線に向かい、そしてインターホンを鳴らした。


沈黙のまま十数秒が経ったところで、私は再びインターホン鳴らそうとした。その時…


『ガチャッ』


玄関の扉が開き、誰かが出てきた。


『光希…!?…いや、遥希だ。』


遥希は光希の双子のお兄さん。

見た目は髪形、服装の趣味やなんかを含めてほとんど一緒。

外見的唯一の違いは、光希には左目の下にほくろがあり、遥希にはない…ってことくらいかな。


でも、付き合いが長いせいか、私は遠目でも不思議と二人を見間違うことはほとんどない。



「あぁ紗織さん、今日って光希と待ち合わせだったんだよね?こっちには昨日連絡あったんだけど…」


「え?光希、どうかしたの?」


「なんか悪天候で飛行機が飛ばなかったらしいよ。嵐が来てて、足止めだってさ。あ、紗織さんが起きる頃見計らって電話するって言ってたよ」



良い知らせではないけれど、最悪の知らせでもなかったから少し安心した。

とりあえず私は、光希からの電話を待つため家に帰る。


…うん、そう。多分…って言うか、光希なら…


…やっぱりと言うか、日曜日にいつもわたしが起きる時間、午前8時ぴったりに、携帯は海外からの着信を告げた。

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