第37話

前回三人で集まったのがユミカん家で、あれは今年の年明けすぐ…一月だったから、久し振りの三人揃ってのお泊り会。

高校の頃は、毎月1~2回は誰かしらの家で集まって泊まってたっけ。


卒業してからは離れ離れになっちゃったってのもあり、こんな楽しい集まりも年に数回…数えるほどになってしまっていたなぁ。



「さぁ、先月くーちゃんも誕生日を迎えたし、みんなハタチになったから堂々と飲めるぞー!…お医者さんには止められてるけど、今夜は飲み明かそー!」



…って私が言った瞬間に、しっかり二人に笑顔で止められて、結局ジュースで乾杯。



「紗織。飲みは治ったらにとっとこうね」


「はぁい…」



だけどお酒なんかなくたって、自然と盛り上がっちゃうのが私達。

久しぶりってのもあっていろんな話は出るけれど、やっぱり恋の話で盛り上がる。


まずは私。

光希とのことを突っ込まれる。



「紗織、コウちゃんは元気?ラブラブ?付き合う前も毎日のように家を行き来して、会ってたんだよね?そろそろ飽きないの?」


「飽きない飽きない。そういうレベルじゃないんだよ、うちら」



なんだろうなぁ。

これだけ経ってもまだまだ底が見えないというか、一緒にいる事が楽しくて仕方ない。

これって変なのかな?



「あ、そういえば、今ってコウちゃん日本にいないって言ってたっけ?」


「うん。希望者だけが行くやつだけど、学校の授業の一環でさ、カナダへ三泊四日のショートホームステイってのに行ってるよ」


「へー。で、いつ帰ってくるの?」


「土曜…明日の夜には帰ってくるんだって」



私の病気が発覚したせいで、光希は今回のショートホームステイに行くかを最後まで悩んでいた。

でも光希がこのイベントをずっと楽しみにしてたのを知っていたし、入院の日までには帰ってこれるスケジュールだったから、ちゃんと行かせることにしたんだ。


この不安な時期に、ホントは行かせたくなかったけど…。



「そっかぁー、今回は会えないかぁ。あいつ、紗織と一緒の時にからかうと、すっごい面白いのになぁーっ!」



…確かに!

普段はあんだけ自信満々のくせに、光希はなぜかユミカには弱いんだよね。

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