第34話

「あ、そうだ綾ちゃん、今日は久し振りに一緒に寝ない?」


「うん、いいねー」



私が中二になるくらいまでは、私達の部屋は一つだった。

私の受験が近づいて部屋は別々になったけど、その後もお互い落ち込んだり、何かあった時には語りながら一緒に寝たりしたよね。


珍しいのかもしれないけど、私達は親友みたいな仲なんだ。

今思えば、これももともとは一緒に生まれてきた双子だったからかな?


お風呂を出て、髪を乾かし、綾音の部屋に行く。

先にお風呂に入った綾音は、ヨーグルトを食べながらテレビを見ていた。


ソファーに並んで一緒に座り、バラエティー番組を見ながら同じ場面で同時に笑う。



「あは、あはははは!」



光希とはまた違った楽しさと安らぎがある。



「綾ちゃーん…」


「なぁに?」


「…好きっ!」



私は言う。



「私もー!さーちゃん、大好きー!」



綾音は答える。


まるでおバカなカップルみたいな私達。

姉妹でなんて馬鹿な会話をしてるんだろう…とはちょっぴり思うけど、こんな会話は日常的。

それ程私達は仲良しなんだ。


これもある意味他人には言えない、二人だけの秘密だね。

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