第30話

家に着き、お父さんと綾音はリビングへ。

私は上着を置きに部屋に入る。

するとノックとともに、ドア越しにお母さんの声がした。



「…紗織、ちょっと話があるんだけど…入るよ」


「あぁお母さん、入って。話ってなぁに?」


「実は紗織にいつか伝えようと思ってたことがあるの…」


「…えっ??」


「今回のことで気付くかもしれないし…いずれ何かの形で分かることだから…」



あらたまってわざわざ言うことって…一体なんだろう。

このタイミングでってのは、なんだか良い話じゃない気がするし、なんだか聞くのが恐いよ…。



「実は二人にずっと黙ってた事があってね」



二人?

私と…綾音のこと??


まさか…本当の姉妹じゃないとか、お父さんとお母さんの本当の子供じゃないとか…

お母さんかお父さんも重い病気だとか…?

莫大な借金があるとか、そんな話だったり………



わずかな沈黙の間に、考えられる限りの様々な負の思考が駆け巡る。


「綾音には高校生になった年に初めて伝えたんだけど…」



綾音は二年前にすでに知っていた!?



「…え?なに…?」



…そうしてその後にお母さんから伝えられた真実は、全く想像しなかった…絶対に想像できないような内容だった。

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